樹奈のMusic Library FM高知
8/31は今年2月に日本公開されたミュージカル映画「カラーパープル」をピックアップしてみました。
この映画はピューリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの小説をスティーブン・スピルバーグが1985年に実写化し、その後、ミュージカル舞台版をへて、今回の映画リメイク版が出来上がりました。
この作品は20世紀前半のアメリカ南部を舞台に、過酷な人生を歩むアフリカ系アメリカ人女性の半生を壮大なスケールで描いたヒューマンドラマです。
この時代の家父長制や黒人差別問題などが背景にあり、とてもシリアスな内容なのですが、どんなどん底の状況にいても希望を捨てずに生きる主人公の姿や魂を振り絞りながら歌う劇中歌は素晴らしく、苦境を突破しようとするエネルギーを歌から感じました。
この映画の魅力のひとつは、アメリカの黒人文化、歴史を語る上で切り離せない彼らの音楽です。ブルースやゴスペル、労働歌などをリアリティ溢れる演技と共に聴けるのは特別な作品だと思います。
彼らにとって歌とは、祈りであり、叫びであり、喜びであったのがひしひしと伝わり、改めて軽く歌えるジャンルの音楽でないなと感じたのと、ますますリスペクトの気持ちが大きくなりました。
冒頭部で流れるゴスペルアレンジのナンバー。映画「カラーパープル」より「Mysterious Ways」お送りしました。
主演をつとめたファンテイジア・バリーノ、哀愁も感じるミュージカル女優としての表現力は圧巻でした。
劇中の楽曲の多くは、ブレンダ・ラッセル、アリー・ウィリス、スティーヴン・ブレイによって舞台版の時に作曲されたものを、新たに映画向けにアレンジししたものです。さらに1985年版映画でクインシー・ジョーンズが作曲した曲も再演されています。
舞台となった年代に実在していた音楽のようなアレンジもされていて、音楽的にとても充実した映画です。
是非見てみてくださいね。
Posted on: 2025年1月2日juna-wordp