樹奈のMusic Library FM高知
2/4はアメリカのジャズシンガーで、2013年にリリースした『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』で現代ジャズ・ヴォーカルのサウンドを大きく前進させたグレッチェン・パーラトの11年ぶりのスタジオ録音アルバム『flor』フロールからグレッチェン・パーラトで「Rosa」お送りしました。
アルメニアの新世代チェリストとして注目されているアルティョム・マヌキアンを迎えて演奏したショーロの名曲です。
子育てと母に専念していた彼女の復帰作でもあるこの作品のテーマは小さい頃から親しんできたというブラジル音楽です。
もともと声を楽器のように使うグレッチェンですが、今作では声に温かみが増し、母性が感じられました。
ショーロは、アメリカでは「ブラジルのジャズ」ともいわれていて、即興を重視した音楽としてはジャズより古いと言われているんですね。
この曲は“ブラジル音楽の父”と称されるピシンギーニャの代表作ですが、美しいメロディです。
歌声が主旋律になったり対旋律になったりしてチェロと対話している感じが素晴らしいアレンジだと思います。
声の可能性って発音をかえてパーカッシブにしてみたり、息を多く混ぜてなめらかにしたり、言葉を乗せて意味を持たせたり、まだまだたくさんあるなぁと感じる
、刺激的な作品でした。