樹奈のMusic Library FM高知
4/2 は私のおすすめミュージカル映画「ハミルトン」をご紹介しました。
これはアメリカ合衆国建国の父の一人であるアレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いたミュージカル作品なんですが、
これを聞くと、「歴史物って堅苦しくないのかな」って思いますが、
この作品は台詞など全編にわたりスピード感あふれるラップで綴られ、さらに美しい歌も聴かせてくれる究極のエンターテイメント作品なのです。
2015年にオフ・ブロードウェイで初演され絶大なる支持を受けてブロードウェイに進出してから「もっともチケットが取れない舞台」となり、
大成功を収めた作品です。
ミュージカル映画ということなのですが、舞台版をそのまま映像にしたもので、臨場感あふれるものになっています。
その中から冒頭で歌われるナンバー、ミュージカル「ハミルトン」より「アレクサンダー・ハミルトン」をお送りしました。
歴史上の説明や、登場人物の台詞を、複雑なリズムと韻を踏んだラップで創り込むというのは、とても斬新で力強く、圧巻です。
この作品は先日番組でご紹介したミュージカル「イン・ザ・ハイツ」を製作した、リン=マニュエル・ミランダが音楽・歌詞・脚本を手掛け、
さらに主演も務めています。ミランダ、天才!
この作品の一つの特徴として、建国の父たちを演じているキャストが白人だけではなく、
多種多様なバックグラウンドをもつキャストだということです。
アメリカは日本と違ってたくさんの移民が暮らしていて、現代のアメリカを支えているのもそんな人たちなんです。
だからこそ、この作品がただのつまらない歴史物で終わらず、
今という時代に訴えかけるものになって、若者の心を掴んだのですね。
アメリカに根強く残る人種の問題について、大きなムーブメントになっています。
今の日本もどんどん外国の方が増えてきて、共感する部分も多くあると思います。
一つのクリエイティブ作品が、社会的に人々の心に火をつけるきっかけとなるなんて、
本当に凄いことだと思います。
Posted on: 2022年4月7日juna-wordp