樹奈のMusic Library FM高知
この番組ではブラジル音楽をたくさん取り上げてきましたが、私が今、一番魅力を感じているのはミナス地方から生まれている音楽です。
6/22はミナスのミュージックシーンの核となるミュージシャンである、ハファエル・マルチニやアントニオ・ロウレイロらが集まって2005年に結成された総勢19名のオーケストラ、ミストゥラーダ・オルケストラをご紹介。
編成はフルート、サックス、トロンボーン、オーボエ、トランペットといった管楽器のアンサンブルに美しい女性コーラス、スキャットが加わり、ピアノやギター、ベースやパーカッションが曲ごとに入ります。ブラジル独特のリズムとダイナミックさで魅了してくれるグループです。
結成から6年のリハーサル期間を経て2011年に録音されたアルバムから。ミストゥラーダ・オルケストラで、「Jose no jabour」お送りしました。
ミナス地方に魅力的なミュージシャンが数多くいるのはなぜなのか、その源流を探ってみると、行き着くところは、ミナス出身のミルトン・ナシメントです。
彼が1972年に発表したアルバム「街角クラブ」、これはミルトンとその街のミュージシャンが集まって演奏した結晶と言える作品です。
それまであったボサノバともちがう、独特のコード進行やメロディがここから生まれ、ひとつムーブメントが起こったんですね。
そして2000年代後半になるとミナスジェライス連邦大学の音楽学部の出身者を中心とする新しい世代が生まれ、ミナス・サウンドを更に進化させました。
そのミュージシャンたちは21世紀の街角クラブと呼ばれていて、お送りしているミストゥラーダ・オルケストラにはその核となる面々が揃っているのですね。
この緻密なアレンジや音の響きは、たくさんの才能が集まり、土地や環境、歴史とが、不思議な反応を起こし、作り上げられたものなのですね。
ミナスの音楽、これからも発見していきたいと思います。
Posted on: 2025年1月2日juna-wordp